イタリアのローマを旅していたときのこと。午後1時近くになり、いい加減にお腹が空いたので、いよいよランチをしようと、パンテオン神殿近くの小径を彷徨って、レストランに入った。テラスに座る。ちょっと活気のあるイタリアンレストランだ。周りには、家族や夫婦、友人同士が銘々テーブルを囲って、ランチを楽しんでいた。
ひとり旅は気楽でいいけれど、時として孤独にぶちあたる。私の場合、それはとくに昼食か夕食を食べる時だ。正確には、孤独感よりは、申し訳ない感情のほうが強い。ヨーロッパはとかく、一人でご飯を食べている人を見かけることが少なかった(スペインのバル文化は別として)。だから、貴重な二人席を一人で使うことに、多少の罪悪感も芽生えてしまう。